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第056回  意外に知らない医療の話“医療保険は本当に必要?”
2007/04/15

今回は、毎日のように新聞紙上広告で必ず見かける「医療保険」についてレポートしてみました。

厚生労働省は、2月下旬に掲載された外資系保険会社の「がん保険」の新聞広告に対し勧告しました。
この広告の内容では、
“高額療養費制度〈一定額以上の医療費を支払った場合に、その差額が払い戻される制度〉”の説明が無く、がんの手術を受けた場合の、平均入院数と一日あたりの平均医療費〈診療費〉の記載と共に以下のような記載があり
■医療費〈診療費〉合計:約100万円
■自己負担医療費〈診療費の3割〉:約30万
『自己負担金を補う為に「がん保険が必要」だ!』との印象を与えるような広告内容でした。

しかし一般的な所得の人が、広告に記載されているような「がんの手術」を受け、一ヶ月入院した場合の自己負担は“高額療養費制度”を使う事により9万円弱〈食費などを除く〉で済みます。
例えば70歳未満で、一般的な所得の人の場合で100万円の医療費のかかる治療(入院中の食費などを除く)を受けた場合では以下のような事故負担金になります。
■医療費総額:100万円
■窓口で支払う自己負担額:30万円
■高額療養費制度での払い戻し額:21万2.575円
■実際の自己負担額:8万7.430円
※8万100円+〈医療費総額100万円−26万7千円〉×1%=8万7.430円

又、この“高額療養費制度”は、今年の4月1日より、必要な手続きを踏めば窓口での支払い(上記の例の場合:30万円)を一旦払う必要もなくなりました。

厚生労働省では「昨年の夏以来保険業界に対して“高額療養費制度”を正確に記載するように指導してきた」と言っていますが、本当にこの制度が国民に広く伝わっているのかは疑問です。

現在の保険広告を見ると大半が、
■入院一日あたりいくらの入院給付金を受け取れる
■手術一回あたり最高いくらの手術給付金を受け取れる
と言う内容です。

しかし、ここ数年は
■内視鏡手術に代表される医療技術の進歩や
■社会的入院を無くし、欧米なみに在院日数を減らす国策など
により近年では入院受療率(10万人あたりの入院患者数)は右肩さがりになり、入院患者の平均在院日数は大幅に減少しています。

広告では、様々な保険が紹介されていますが、
高齢化や疾病構造の変化から生活習慣病の増加などの新しい要因も増えており、自己負担を気にせず社会復帰に向けたリハビリテーションが受けられるような保険はまだ見当たりません。

“高額療養費制度”の還付制度の改訂により、最初から本来の自己負担分の支払いで済むよになった事で、一時的にせよ多額の医療費を準備しなくても良くなった今、
■本当に必要な保険とは何なのか?
■貯蓄で賄う事は?
など様々な選択肢を持って考えてみる時期かもしれませんね。

自分や大切な家族の健康の為に、先ず“信頼できる健康や医療の情報”に触れ、理解・納得の上、上手に医療と付き合い“賢い患者”になりましょう。

株式会社クオリティー・オブ・ライフ 医療情報室  真野 優子
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