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 | 閉経後骨粗鬆症
 監修:牧田総合病院 産婦人科 秋山 敏夫
 骨粗鬆症とは骨の量が少なくなり内部がスカスカになり、そのため骨が脆(もろ)くなり骨折しやすくなった状態をいいます。ホルモンの関係により女性に多い疾患です。閉経により女性ホルモンが減少することが骨粗鬆症を発症しやすくします。 |  | |
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 |  | どんな病気
骨粗鬆症とは骨の量が少なくなり、組織の微細構造が変化し、そのため骨が脆(もろ)くなり骨折しやすくなった状態をいいます(図1)。 一般に、主として年齢が原因となる"原発性骨粗鬆症"と、他の病気や薬物などによって起こる"続発性骨粗鬆症"に分けられます(図2)。 閉経後骨粗鬆症は原発性の骨粗鬆症に分類されます。 |  |  |  |  |  | |  |
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 |  | 原因は
女性の骨量は卵巣機能の状態と一致しています。思春期から骨量は増加しはじめ18〜20歳の性成熟期頃までに最大骨量に達します。40歳代に入ると卵巣機能が衰え始めます。この時期から骨量は減少し始め、女性ホルモンのエストロゲン分泌が急激に低下し、50歳頃(日本人の平均閉経年齢は50歳です。)からさらに急激な減少をきたします。 若い人でも、月経の始まりおそい場合、18歳になっても月経が来ない場合、閉経が早くきた場合、病気による卵巣摘除、ある種の薬剤の使用等が原因になります。遺伝(男性に比べて女性に多い)、人種、体格(肥満の人よりやせの人に多い)やダイエット、偏食(カルシウム接種不足)、過度の運動、運動不足、日光照射不足、喫煙、アルコール摂取などの生活習慣も原因となります。 エストロゲンによる骨量増加機構は、分子レベルでは未解明の部分もありますが、破骨細胞(骨を吸収する細胞)と骨芽細胞(骨を作る細胞)の機能は共に亢進し、骨のリモデリング(再構築)はどんどん進行する高代謝回転型となりますが、相対的に骨吸収が盛となり、骨量が減少すると考えられています。また、臨床的にはエストロゲン使用の閉経後の女性が骨量の減少を抑制し、その結果、骨折の頻度を減少させると確認されています。 |  |  |  |  |  | |  |
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 |  | どんな診断・検査
最近は、保健所や一般病院でも骨粗鬆症の検査を行っています。まず、エックス線検査で骨の評価を行います。次いで、種々の機械で骨の量を測ります(最初から骨の量を測る施設もあります。)
◆脊椎エックス線像(図3) 一番古い方法ですが、多くの施設で検査できる方法です。腰の骨を横から写し、圧迫骨折の有無、骨のスカスカ度を見ます。経過観察や治療効果判定には適しません。
◆MD法・DIP法(図4) アルミニウム・ステップ・ウエッジと共に手を撮影、第2中手骨(中指)の中央部の全幅に対する割合を測定する方法です。集団検診などでよく使用されます。 |  |  |  |  |  | |  |
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 |  | |  | ◆DEXA法(図5) 波長の異なる2種類のエックス線を用い、その吸収率の差から、骨密度を測定する方法です。現時点で1番精度が高いと考えられています。特に腰の骨は圧迫骨折を起こしやすいので、ここを測定することは理にかなっていますが、高齢者では腹部大動脈の石炭化の影響を考慮する必要があります。高価な事と、測定に時間がかかる点、エックス線の遮蔽の問題でその施設にもある機械ではありません。
◆超音波法 (図6) 超音波を足の踝(くるぶし)の所に当て、踝骨に対する超音波の通過時間と減衰率で骨の硬さと質を見る方法です。割に安価なことと、エックス線を使用しないこと、どこでも手軽に検査できることでこの検査のできる施設が増えてきています。 |
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 |  | |  | | その他は CTスキャンを用いたpQTC法、一種類の光子線で測定するSPA法などありますが、あまり普及はしていません。 診断の方法は、(図7:骨粗鬆症の診療手順)の様に行います。 骨粗鬆症と診断されたらさらに血液や尿の中にでてくる物質(骨代謝マーかー)を測定し、 どのようなタイプの骨粗鬆症かを診断します。 最近では、骨吸収マーカーのNTxやDPDという物質を測定し、高代謝回転型か低代謝回転型かを区別します。 骨粗鬆陞の診断基準を(表1)にしました。 区別しなければならない病気 骨粗鬆症と思ったら違っていたという場合があります。誤りやすい病気にはいろいろなものがあります(図2のその他の疾患)。これらがあった場合は整形外科の医師の診断が必要になります。 |
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 |  | どんな治療法
どんなタイプの骨粗鬆症かを調べてから治療を開始します。骨折のリスクが低い(骨密度か骨吸収マーカーに異常がある、または単に骨密度がやや低い程度)人は活性型ビタミンD3製剤やビタミンK2製剤を用いる場合が多くなっています。また、骨折リスクが高い(骨折がなくとも骨密度と骨吸収マーカーが異常値をとる)人はエストロゲン製剤(HRT)やビスホスホネート類の製剤が用いられていることが多くなってきています。なお4〜6ヶ月後代謝マーカーの再検査をして、治療効果が悪ければ、増量や薬剤の変更も必要になります。さらに、他の薬剤との併用療法も選択肢の一つと考えられます。 HRTは効果が高いのですが、副作用の報告もあり、使用に関しては医師から十分な説明を受けてください。(老人性腟炎の項参照) |  |  |  |  |  | |  |
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 |  | どんな予防法
一番必要なことは、若い時(20歳代)に骨量を測定し、自分の骨がどの程度大丈夫なのかを確かめておく必要があります。また、運動、日光浴と食事の内容に対する注意も心がけなければいけません。
●食事療法 最も身近で実行しやすいものが食事療法です。骨の主成分であるカルシウムを多くとる必要があります。日本人は1日少なくとも800!)r以上のカルシウムを取らなければならないと言われています。日本人の食生活ではカルシウムを多く含む牛乳や乳製品などの取り方が少ない傾向にあります。 また、カルシウムの腸からの吸収率も年齢とともに悪化し、閉経後は若いときと比べ1/2から1/4に低下します。カルシウムの吸収を高め体内で増やすにはビタミンDが必要ですし、蛋白質が作られるのを助けるビタミンK、カルシウムが骨に取り込まれるのを助けるマグネシウムも必要です。なお、乳製品によるコレステロール上昇や肥満が問題になる場合は、低脂肪または無脂肪乳に代えるか、豆乳などの大豆製品を積極的に取ることをお勧めします。 一方、悪いと言われるものに、ナトリウム、ビタミンA、カフェイン、アルコールの過剰摂取と喫煙があげられます。ナトリウムは閉経後の骨吸収を増加させます。ビタミンAは骨吸収を促進し、骨量を減少させ、骨折のリスクを高めるとの報告があります。 カフェインやアルコールは大量に摂取すると骨折の増加が見られたとの報告があります(関係ないとの報告もあります)が、蛋白質など一緒に取っていれば問題とはならないようです。喫煙は骨粗鬆症におおきく関与します。喫煙には抗エストロゲン作用、カルシウムの吸収障害、尿中排泄促進などが報告されています。
●運動 ウォーキングをする人としない人では骨の脆さが違ってきます。適度な運動をすると、骨に圧力が加わり、その刺激が骨の形成を促進します。 水泳は全身運動としてはすぐれていますが、骨への負担は少なく骨粗鬆症の予防としては一番とはいえません。手軽さや日光浴の効果も考えると、ウォーキングが一番重要と思われます。一回の歩行時間は、30分以内、50〜60歳代では朝夕2回で8000歩が目標といわれます。また、休息日を設け、負担になりすぎないような注意も必要です。
●転倒予防 転倒は年齢がますにつれて発生も増加します。高齢者では転倒によって、大腿骨頚部の骨折を起こし、寝たきり生活になります。これによって生への意欲がなくなり、死の方向に進といわれます。ですから、バリアフリーの家造り、バランス機能や姿勢保持能力に対する取り組みが必要になります。歩行能力の維持・改善が最も重要ですし、下肢筋力の維持、視力の維持等を向上させる取り組みが自治体などで始まっています。 |  |  |  |  |  | |  |
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